葬儀において、参列者への感謝を示し、故人を偲びながら語り合う「食事」の場は、式の印象を決定づける非常に重要な要素です。東京都西多摩郡にある瑞穂斎場(瑞穂町・福生市・羽村市・入間市・武蔵村山市運営)で葬儀を行う場合、食事の手配については施設独自のルールや指定業者の存在を理解しておく必要があります。特に、斎場内にある食堂・料理業者である「ゆにわ」は、多くの利用者が関わることになりますが、具体的なメニュー内容や評判、利用の流れについて詳しく知りたいという喪主様も多いことでしょう。
「どんな料理が出せるのか?」「予算はどれくらいか?」「外部からの持ち込みはできるのか?」といった疑問は、準備段階で解消しておくべきです。適切な食事手配は、参列者の満足度を高めるだけでなく、当日の遺族の負担を軽減することにも繋がります。
本記事では、瑞穂斎場での食事(通夜振る舞い・精進落とし)について、斎場内業者「ゆにわ」のメニューや特徴、利用上のルール、そしてスムーズな手配方法を、瑞穂斎場での施工実績が豊富な東京葬儀の視点から徹底解説します。
瑞穂斎場における食事のルールと業者「ゆにわ」の役割
瑞穂斎場は公営の複合施設であり、衛生管理やゴミ処理、運営の円滑化の観点から、食事の提供に関して明確なガイドラインが設けられています。まずは、その基本構造と、施設内で中心的な役割を果たす「ゆにわ」について理解しましょう。
瑞穂斎場内食堂「ゆにわ」とは
「ゆにわ」は、瑞穂斎場の敷地内(待合棟など)で営業している食堂・売店および仕出し料理の業者です。瑞穂斎場を利用する場合、通夜振る舞いや精進落としの料理、飲み物、返礼品などの手配は、原則としてこの「ゆにわ」を利用するか、あるいは瑞穂斎場の許可を受けた指定業者を利用する流れとなります。特に火葬中の待合室での飲食や、飲み物の提供に関しては、「ゆにわ」が独占的にサービスを提供している部分も多く、利用者にとっては非常に身近な存在です。
食事(会食)ができる場所と時間の制限
瑞穂斎場内で食事が可能なエリアは厳格に決められています。
- 通夜振る舞い: 式場に付帯する「式場控室」または「お清め所」を利用します。時間は通夜終了後から閉館時間(通常21時頃)までとなります。
- 精進落とし(火葬中): 火葬炉稼働中の待ち時間を利用して、火葬棟にある「待合室」で食事を行います。
ロビーや廊下での飲食は禁止されており、指定された場所で、決められた時間内に食事を終え、片付けまで完了させる必要があります。この時間管理の厳しさが、公営斎場の特徴でもあります。
衛生管理と「ゆにわ」利用のメリット
外部からの持ち込み(特に手作り料理や、衛生管理が不明確な仕出し屋の料理)は、食中毒リスク回避のために厳しく制限される傾向にあります。「ゆにわ」を利用する最大のメリットは、斎場内に厨房機能を持っているため、温度管理された安全な料理が提供される点です。また、斎場のスケジュールや動線を熟知しているため、配膳や下膳のタイミングが完璧であり、ご遺族が進行を気にする必要がないという点も大きな利点です。
それでは、具体的にどのような料理が提供されるのか、次章では通夜料理のメニューについて詳しく見ていきます。
通夜振る舞いのメニュー構成と提供スタイル
通夜の弔問客に対し、お酒や軽食を振る舞う「通夜振る舞い」。瑞穂斎場の「ゆにわ」が提供する通夜料理には、伝統的な大皿料理から、近年の感染症対策を踏まえた個食スタイルまで、様々なバリエーションがあります。
定番の「盛り込み料理(大皿)」
多くの参列者が予想される場合や、親族中心で取り分ける形式を好む場合に選ばれるのが大皿料理です。
- 寿司桶: 上寿司、特上寿司などランクによりネタが異なります。桶単位での注文となります。
- オードブル: 唐揚げ、フライ、煮物、枝豆、サンドイッチなどが盛り合わせになったプレートです。和洋中それぞれのバリエーションがあります。
- 刺身盛り合わせ: 新鮮な魚介類の盛り合わせで、お酒のおつまみとして喜ばれます。
これらをテーブルごとに配置し、自由につまんでもらうスタイルが一般的です。予算の目安としては、参列者一人あたり3,000円〜4,000円程度を見込んで準備します。
近年増加している「個食(ボックス)タイプ」
コロナ禍を経て定着したのが、一人分ずつ小分けにされたお弁当形式や、ボックスタイプの料理です。
- 通夜弁当: 寿司やおかずが一人前のお弁当箱に入っており、持ち帰りも可能な仕様になっています。
- 個食オードブル: 9つに仕切られたプレートに少しずつ多様なおかずが入った、「松花堂」風のオードブルです。
このスタイルは、衛生面で安心感があるだけでなく、余った場合に参列者に配りやすいというメリットがあります。また、取り箸を使う気遣いが不要なため、参列者もリラックスして食事を楽しめます。
数量調整の難しさと対応
通夜は正確な参列人数が読みにくい儀式です。「ゆにわ」では、こうした事情を考慮し、乾き物(お菓子やおつまみ)のセットや、予備の寿司桶の手配などにも柔軟に対応してくれます。また、当日の追加注文が可能なメニューと、事前予約必須のメニューがあるため、葬儀社と相談して「少し足りないくらい」で発注し、予備で調整するのが賢い方法です。
通夜の翌日は告別式と火葬です。次章では、火葬場ならではの食事事情である「精進落とし」について解説します。
東京葬儀は、瑞穂斎場のメリットを活かし、ご予算を抑えつつも心のこもった葬儀を提供いたします。

精進落とし・火葬中料理のメニューと相場
瑞穂斎場では、火葬炉に点火してから収骨までの待ち時間(約1時間〜1時間半)を利用して、待合室で精進落としの食事を行うのが一般的です。これを「火葬中精進落とし」と呼びます。ここで提供される料理は、通夜とは異なり、一人ひとりに配膳される「御膳」形式が基本となります。
本格的な「懐石御膳・松花堂弁当」
親族や特に親しかった方々だけで囲む食事ですので、質にこだわったメニューが用意されています。
- 松花堂弁当(上・特上): 4,000円〜6,000円程度。刺身、天ぷら、焼き魚、煮物、ご飯、吸い物などが美しく盛り付けられた高級弁当です。待合室での食事時間は限られているため、配膳・片付けがスムーズなこのタイプが最も選ばれています。
- 懐石御膳: 6,000円〜8,000円程度。より豪華な食材(カニ、牛ステーキ、鰻など)を使用した特別なお膳です。法要としての意味合いを強く持たせたい場合に適しています。
これらの料理には、必ず「お吸い物」や「茶碗蒸し」などの温かい汁物が付きます。斎場内調理の強みを活かし、温かい状態で提供されるのが「ゆにわ」の大きな特徴です。
お子様メニューとアレルギー対応
親族にお子様が含まれる場合、「お子様ランチ(ハンバーグやエビフライなど)」や「お子様寿司」の手配も可能です。また、アレルギーをお持ちの方や、高齢で硬いものが食べにくい方への「刻み食」や「お粥」への変更なども、事前に相談すれば対応してもらえます。こうした細やかな配慮は、ホストである喪主様にとって非常に助かるポイントです。
影膳(陰膳)の用意
故人様と共に食事をするという意味で、故人様用の食事「影膳(かげぜん)」を用意することも一般的です。「ゆにわ」では、簡易的な影膳から、参列者と同じ内容の本格的な影膳まで選ぶことができます。火葬中の待合室に故人様の遺影と位牌を安置し、その前にお膳をお供えして、皆で食事を囲みます。
料理の手配と同様に重要なのが、飲み物の準備です。次章では、飲み物やその他のサービスについて触れます。
飲み物・返礼品・配膳サービスの仕組み
食事の場に欠かせない飲み物ですが、瑞穂斎場では基本的に「飲み放題」のようなプランではなく、開栓した本数分だけ精算する「実数精算」のシステムが採用されています。
「ゆにわ」による飲み物提供
瓶ビール、日本酒、焼酎、ノンアルコールビール、ウーロン茶、オレンジジュース、コーラなどが用意されます。冷蔵庫に冷やされた状態で準備され、必要な分だけ栓を開けて利用します。余った未開栓の飲み物は返品扱いとなり、請求されません(※買取ルールの商品を除く)。
また、温かいお茶(日本茶)に関しては、待合室や控室に給湯設備と茶器(急須・湯呑み)が備え付けられている場合が多く、セルフサービスまたは配膳スタッフが入れてくれます。
配膳人(接客スタッフ)の手配
料理や飲み物を配り、空いたお皿を下げ、ゴミを回収するための「配膳人(配膳スタッフ)」の手配も重要です。瑞穂斎場での食事の場合、葬儀社が手配する専門スタッフ、もしくは「ゆにわ」のスタッフがこの業務を行います。
ご遺族が自らビールを配ったり、片付けをする必要はありません。これにより、喪主様は参列者への挨拶や会話に集中することができます。この人件費は見積もりに計上されますが、円滑な進行のためには必要不可欠な経費と言えます。
当日返礼品(即返し)の取り扱い
香典をいただいた方へその場でお渡しする「当日返礼品(お茶や海苔、洋菓子など)」についても、「ゆにわ」で手配することが可能です。葬儀社が持ち込む場合もありますが、斎場内の業者を利用することで、数の増減(足りなくなった場合の補充や、余った分の返品)が非常にスムーズに行えるというメリットがあります。
ここで気になるのが、「自分たちで持ち込みたい」という要望です。次章では、持ち込みに関する規定とリスクについて解説します。
持ち込みの可否と斎場内売店の活用法
「故人が好きだったお酒を持ち込みたい」「費用を抑えるためにスーパーで買ってきたお菓子を出したい」と考える方もいらっしゃいます。瑞穂斎場における持ち込みのルールはどうなっているのでしょうか。
原則としてのルールと「ゴミ持ち帰り」
瑞穂斎場では、飲食物の持ち込み自体は厳格に禁止されているわけではありませんが、強く推奨はされず、実質的な制限があります。最大のハードルは「ゴミの処理」です。
「ゆにわ」等の指定業者を利用した場合、空き瓶や弁当ガラなどのゴミはすべて業者が回収・処分してくれます。しかし、持ち込んだものから出たゴミは、すべて利用者が責任を持って持ち帰らなければなりません。斎場のゴミ箱に捨てることは禁止されています。葬儀当日の慌ただしい中で、生ゴミや空き缶を持ち帰る手間は、想像以上に大きな負担となります。
故人ゆかりの品の「限定的な持ち込み」
東京葬儀では、「故人の愛飲していた銘柄の日本酒を1本だけ持ち込み、献杯用にする」「故人が好きだった和菓子を少量持ち込み、お供えした後に配る」といった、象徴的な範囲での持ち込みをお勧めしています。この程度であれば、ゴミの量も少なく、葬儀社のスタッフがサポートすることでスムーズに対応可能です。メインの食事や大量の飲み物は指定業者に任せ、こだわりの一点のみを持ち込むのが賢い利用法です。
斎場内売店の利便性
瑞穂斎場内には売店があり、ちょっとしたお菓子や追加の飲み物、タバコ、香典袋などを購入することができます。通夜の最中に「おつまみが少し足りないかも」と思った時など、すぐに買い足すことができるため、無理に外部から大量に持ち込む必要はありません。
続いて、食事のキャンセルや数量変更がいつまで可能なのか、注文のタイミングについて解説します。
注文・変更のタイミングとキャンセル規定
葬儀の参列人数は、当日になるまで確定しないことが多く、料理の発注数には常に頭を悩ませることになります。無駄を出さず、かつ不足させないための発注スケジュールを確認しましょう。
発注の締め切り(デッドライン)
一般的に、「ゆにわ」への料理注文の締め切りは以下の通りです。
- 通夜料理: 通夜当日の午前中まで(※大幅な変更は前日まで)
- 精進落とし(お弁当): 火葬前日の午前中まで
ただし、メニューによっては仕込みの都合上、2日前までの予約が必要なものもあります。特にこだわりの懐石膳などを選ぶ場合は早めの決定が必要です。
予備対応の考え方
精進落とし(一人一人のお膳)に関しては、親族の人数がほぼ確定しているため、「人数分+予備1〜2食」程度で発注します。急な親戚の参加や、僧侶が食事をされる場合に対応するためです。余ってしまった場合は、持ち帰り用の折箱を用意してもらうか、遺族が持ち帰ることになります(※季節により持ち帰り不可の場合あり)。
キャンセル料の発生
締め切り時間を過ぎてからのキャンセル(数量減)には、キャンセル料が発生します。多くの場合、当日のキャンセルは100%の料金がかかります。台風や大雪などの不可抗力による延期等の場合は特例措置がとられることもありますが、基本的には「発注した分は買い取り」となります。そのため、東京葬儀では、最初は確実な人数で発注し、締め切りギリギリのタイミングで最終調整を行うようアドバイスしています。
それでは、実際に東京葬儀が瑞穂斎場で食事の手配を含めてサポートした事例をご紹介します。
瑞穂斎場での葬儀事例:東京葬儀によるサポート内容
食事は単にお腹を満たすだけでなく、故人を偲ぶ大切な儀式の一部です。ここでは、お料理にこだわりを持たれたご家族の事例をご紹介します。
事例概要:瑞穂町在住 C家様(故人様:70代男性)
【ご希望】
「父は現役時代、美味しいものを食べるのが大好きだった。最期のお別れの食事も、ありきたりな弁当ではなく、温かくて美味しいものをみんなに食べてもらいたい。親戚も高齢なので、量は多くなくていいから質を重視したい。」
東京葬儀の提案と「ゆにわ」の活用
1. 火葬中精進落としでの「特選懐石」手配
瑞穂斎場の待合室を利用した食事会にて、「ゆにわ」のメニューの中でも上位ランクにあたる特選懐石膳をご提案しました。季節の食材を使った天ぷらや、柔らかく調理された煮アワビなどが入っており、グルメだった故人様を偲ぶのに相応しい内容でした。また、必ず温かいお吸い物がつく点を重視しました。
2. 故人様のための特別セット(陰膳)と献杯
ご家族の希望により、故人様の遺影の前に、皆様と同じ食事(陰膳)を供え、さらに故人様が大好きだった銘柄の焼酎(持ち込み)をグラスに注いで供えました。献杯の際には、その焼酎を少しずつ皆様の杯に分け、故人様と一緒に乾杯する演出を行いました。
3. アレルギー対応と子供用メニューの調整
お孫様の中に甲殻類アレルギーの方がいらっしゃったため、事前に「ゆにわ」と綿密に打ち合わせを行い、エビ・カニを除去した特別メニューを用意。また、小さなお子様には食べやすいハンバーグ弁当を手配し、世代を問わず全員が完食できる食事会となりました。
ご家族様の声
「火葬場の食事というと冷たいお弁当のイメージでしたが、温かいお料理が出てきて驚きました。父の好きだった焼酎で献杯できたのも良い思い出です。配膳の方もとても丁寧で、父の話で盛り上がりながら、ゆっくり過ごすことができました。」
このように、指定業者という枠組みの中でも、葬儀社のサポートと工夫次第で、オーダーメイドに近いおもてなしが可能になります。
まとめ:瑞穂斎場での食事手配はプロと相談して最適解を
瑞穂斎場での食事(通夜振る舞い・精進落とし)は、施設内業者「ゆにわ」のメニューを活用するのが、味・衛生面・利便性のすべてにおいて最も合理的です。しかし、単にカタログから選ぶだけでなく、参列者の顔ぶれや故人様の好みに合わせてメニューを構成することで、満足度は大きく変わります。
本記事の要点まとめ
- 指定業者「ゆにわ」の利用が基本: 斎場内調理のため、温かい料理や適切なタイミングでの配膳が可能。
- 場所と時間の厳守: 待合室や控室での飲食となるため、スムーズな進行管理が必要。
- メニューの多様性: 大皿から個食弁当、高級懐石まで予算に応じて選択可能。アレルギー対応も可。
- 持ち込みは慎重に: ゴミの持ち帰りルールがあるため、メイン料理は業者に任せ、こだわりの品のみ少量持ち込むのがベター。
「具体的なメニュー表が見たい」「予算内で最大限のおもてなしをしたい」といったご要望があれば、ぜひ東京葬儀へご相談ください。瑞穂斎場の特性を熟知したスタッフが、料理の選定から当日の配膳サポートまで、心を込めてお手伝いいたします。事前相談も随時受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。